5-1 外国への意匠登録出願



日本で意匠権を取得できても、海外でその権利を主張することはできません。意匠権は各国ごとに認められるものなのです。

外国出願の必要性

あなたがあるデザインの玩具Aについて日本において意匠権を取得し、販売に向けて準備をしていたとします。玩具Aの製造は、コストの安いB国で行うこととしました。
この時、同様のデザインの玩具等について、もしB国で偶然 他人が意匠権を得ていたとすると、B国での玩具Aの製造について権利侵害で訴えられてしまう恐れがあるのです。

したがって、日本での意匠権を取得した場合でも、他の国で製造や販売等を行う場合には、それらの国でも意匠権を得ておく必要があります。

では、海外で意匠権を取得をするには、どうしたらよいですか?

各国で意匠権を取得するには、大きく分けて二つの方法があります。

一つ目は、権利を取得したいそれぞれの国に対して個別に直接申請する方法です。
この場合には、日本の代理人からそれぞれの国の代理人へその国の特許庁(に準ずるもの)への手続きを依頼しますので、日本での意匠権取得時(またはその後)、同じ日本の代理人に海外への手続きを依頼するのが確実です。

各国への意匠登録申請

5-2 各国の意匠制度

1.ヨーロッパへの意匠登録出願 欧州には「欧州共同体意匠制度」が存在します。欧州共同体意匠制度とは、 一つの出願で、欧州共同体に加盟する(EU加盟国)27カ国に…

二つ目は、1つの国際出願によって、複数国(指定締約国)へ意匠登録出願を行う方法です。

意匠の国際出願

5-3 意匠の国際登録制度

1.意匠の国際登録制度とは 日本が、ハーグ協定(ジュネーブ改正協定)に加入したことにより、1つの国際出願によって、複数国(指定締約国)への意匠登録出願が可能とな…

何れの場合でも、出願前に、各国の意匠制度について確認しておくことが望まれます。

なお、日本での出願から6か月以内であれば、「優先権」というものが認められる場合があります。優先権が認められると、他の国への出願は日本での出願日になされたものと見なされるため、権利化において有利になります。

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