1-2 意匠になる物品


1.こんな「物品」が意匠登録される

意匠は、「物品」の形態(デザイン)である必要があります。したがって、「物品とは無関係な」単なる模様や図柄、形状は意匠登録されません。一つの物品と一つの形態がセットになって初めて意匠となるのです。たとえば、奇抜なデザインを思いついても、そのデザインの「置物」と「キーホルダ」とでは、別の意匠となります。

では、どのような「物品」が意匠登録されるのでしょうか?意匠法施工規則には、物品として2400程度の物品が挙げられています。
規則に挙げられた物品以外でも、もちろん意匠法としての「物品」として認められます。但し、総括名称などを用いたものは認められません。たとえば、「陶器」などの広い概念ではなく、物品として認められるためには、具体的な「花瓶」などとする必要があります。

2.物品として認められない例

以下のようなものは、意匠法では「物品」として取り扱われず、意匠権を得ることはできません。

1.動産ではないもの
マンションやビルなどは動産ではありませんので、物品ではありません。
しかし、組み立てバンガローなどは使用時には不動産となりますが、販売時には動産として取り扱われるため「物品」として認められます。 

2.固体以外の物
電気や光など無体物は物品として認められません。また、有体物であっても、液体や気体は固有の形態を有していないため物品として認められません。

3.粉状物、粒状物の集合体
粉状物や粒状物は、個々は個体であって一定の形態を有していますが、その集合体は特定の形態を有さないため物品とは認められません。ただし、角砂糖のように、その集合体が固定した形態を有すれば、物品として取り扱われます。 

4.物品の一部であるもの
その物品の一部を切り離し、独立の製品として取引されるものでなくては物品としては取り扱われません。
たとえば「靴下のかかと」は単体で取引されるものではないので物品としては取り扱われません。
なお、物品の部分は「部分意匠」制度によって保護が可能な場合があります。

以上のように、例えば、花火、プロジェクションマッピング、噴水、夜景などのようなものは、意匠法における「物品」ではないため、意匠権を得ることはできません。

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