3-1 さまざまな意匠(1)


1.関連意匠とは ~ 関連意匠でバリエーションの意匠を保護

関連意匠とは、一つのデザインコンセプトから生まれる複数のバリエーションの意匠 を言います。
一つの意匠権は、登録された物品の形状だけでなく、その類似範囲にも及びます。このため、ある意匠Aとこれと類似する意匠Bを通常の出願で両方とも権利化することはできません。これは一方が他方に類似するため、拒絶理由となるからです。

しかし、多くの場合、意匠Aに対してわずかに変更を加えたような複数の意匠が創作される場合があります。このような場合に、これら類似する意匠を併せて登録するのが 関連意匠 です。

関連意匠が認められるためには、それらが互いに類似する意匠群の内の1つの意匠を「本意匠」として、この「本意匠」と類似する意匠をすべて「関連意匠」として出願する必要があります。
また関連意匠は、本意匠の意匠公報が発行されるまでに出願する必要がある点に、注意が必要です。

2.部分意匠とは ~ 物品の特徴的な「部分」を保護

部分意匠の必要性

あなたはある特徴的なデザインのアクセサリーを思いつき、商品化しました。まねをされるのを恐れたあなたは、商品化に先立って、このアクセサリーの意匠について意匠登録出願をし、登録を受けておりました。アクセサリーは予想以上に評判がよく、予想をはるかに超えた売上を得ました。

ところが・・・、そのデザインとほとんど同じデザインのアクセサリーが他人によって販売されているのを発見しました。

当然相手は、「似ていない」と主張するでしょう。このような場合、あなたの有する意匠権で他人の販売をやめさせることができるでしょうか?


このような物品の特徴的な「部分」をより強く保護するのが「部分意匠」です。部分意匠は、物品全体の中で特徴的な「部分」について権利化するものです。

なお、「部分」は他の意匠と対比可能な「範囲」である必要があります。また、その「部分」の全体に占める位置や大きさや範囲なども考慮されます。
海外への出願も検討しているのであれば、その国で「部分意匠制度があるかどうか」は事前に調査しておく必要 があります。

3.組物意匠とは ~ システムデザインの保護

通常、意匠権は一つの物品について一つのデザインを保護するものです。したがって、複数の物品を一つの意匠権で保護することはできません。しかし、全体として統一がある意匠については、所定の要件のもと、複数の物品を「組物の意匠」として意匠登録を受けることができます。

たとえば、いくつかの「薬味入れ」を組み合わせることで、一つのまとまった形状となる場合や、同じような造形処理が施された「ナイフ・フォーク・スプーンセット」などは、一つ一つの物品は公知の形状であっても、全体として統一があるため、組物の意匠として意匠登録を受けることができる可能性があります。

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