意匠の国際登録制度

2.国際出願・国際登録の流れ



3-1. 国際出願

所定事項を記載した出願書類をWIPO国際事務局へ提出します(直接出願)。なお、PCT出願のような、各国移行手続きはありません。なお、国際登録後の指定締約国の追加はできません。

意匠が同一の国際意匠分類に属する場合には、一つの出願に最大100の意匠を含むことが可能です。但し、各指定締約国においては、複数の意匠登録出願として取り扱われる場合があります。

手続に用いられる言語は、英語、フランス語、スペイン語から選択した単一の言語です。日本語での出願はできません。

手数料は、基本手数料+指定手数料+公表手数料等からなります。金額は、意匠の数、指定締約国などによって異なります。

日本国の特許庁を経由して出願することも可能です(間接出願)。この場合には、さらに送付手数料が必要です。

3-2. 手数料

費用は、全て、スイスフランで支払います。 以下、出願時の各手数料(2015年8月現在)です。

<基本手数料>
1意匠につき397スイスフラン
同じ国際登録に含まれる追加の意匠ごとに19スイスフラン

<公表手数料>
公表される複製物の数ごとに17スイスフラン
複製物を書面で提出する場合に、複製物を記載した書類の2頁以降の頁ごとに
150スイスフラン

<追加手数料>
意匠の説明が100単語を超える場合に、100単語を超えた1単語ごとに
2スイスフラン

<指定手数料>
指定手数料には、大きく標準指定手数料と個別指定手数料とがあり、いずれが
適用されるかは、各指定締約国ごとに異なります。

 ① 標準指定手数料
  標準指定手数料は、さらに等級1~3に分けられ、いずれの等級が適用されるかは
  指定締約国ごとに異なります。

  等級1 いかなる実体審査も行わない締約国(例えばフランスなど)
  1意匠につき42スイスフラン  同じ国際出願に含まれる追加の意匠ごとに
  2スイスフラン

  等級2 新規性に関する以外の実体審査を行う締約国(例えばドイツなど)
  1意匠につき60スイスフラン  同じ国際出願に含まれる追加の意匠ごとに
  20スイスフラン

  等級3 締約国の官庁が職権によりまたは第三者による異議の申立てを受けて、
  新規性に関する審査を含む実体審査を行う締約国(例えばスペインなど)
  1意匠につき90スイスフラン  同じ国際出願の中に含まれる追加の意匠ごとに
  …… 50スイスフラン

 ② 個別指定手数料
  標準指定手数料に代えて、個別の指定手数料の受領を宣言してる締約国を指定する
  場合に適用されます。

  例えば、
  欧州連合の場合には、1意匠ごとに67スイスフラン
  日本の場合には、1意匠ごとに583スイスフラン

  なお、最新の手数料は、以下の情報をご確認ください。
   http://www.wipo.int/about-wipo/en/finance/hague.html

3-3. 国際出願日

直接出願の場合には、WIPO国際事務局が国際出願を受理した日が国際出願日となります。

間接出願の場合には、日本国特許庁が出願を受理した日が国際出願日となります。

但し、WIPO国際事務局が出願要件を満たしていないとして、出願人に対して不備の補正を求めた場合には、国際出願日が、WIPO国際事務局がその補正を受理した日に繰り下がる場合があります。

3-4. 国際登録

WIPO国際事務局は、国際出願を受理して、方式審査を行った後、直ちに国際出願された意匠を登録します。原則、国際出願の日が、国際登録の日となります。(不備があった場合には、その補正を受理した日となる場合があります)

国際登録がなされますと、国際登録の日から各指定締約国における正規の出願と同一の効果を有します。

国際登録によって、直ちに各指定締約国で意匠権が発生するわけではありません。

3-5. 国際公表

国際登録された日から6月後に国際公表されます。

出願人の請求によって、登録後の即時公表または公表の延期(国際出願の日(優先日)から最大30か月)も請求可能です。

ただし、公表の延期を認めていない締約国もあります。複数の締約国を指定する場合には、全指定締約国が公表の延期を認めている場合に限り延期が可能です。

なお、延期期間が異なる複数の締約国を指定した場合は、それらの期間のうち最も短い期間の満了時に公表が行われることになります。

3-6. 権利発生

各指定締約国の官庁は、国際登録の対象が、自国の法令に基づく実体的な保護対象としての要件を満たしていない場合に、国際登録に基づく保護の効果の拒絶をすることができます。

拒絶の通報は、国際登録の名義人(代理人)へ送付されます。拒絶の通報を受けた国際登録の名義人は、当該指定締約国の正規の出願と同じ救済手段が与えられます。例えば、日本の場合には、国際登録の名義人は、日本国特許庁に対して、手続補正書や意見書を提出することができます。

当該指定締約国の官庁は、拒絶理由が解消したと判断すると、WIPO国際事務局へ拒絶を取り下げる通報を行います。拒絶の取り下げの通報は、国際登録の名義人(代理人)へ送付されます。

拒絶の通報の有無にかかわらず、指定締約国の官庁は、その指定締約国で意匠権を生じさせるため、WIPO国際事務局へ保護の付与の声明を行います。

3-7. 登録更新

国際登録は、国際登録の日から5年間有効です。また、その後5年ごとに延長(更新)が可能です。

国際登録の更新の手続は、WIPO国際事務局に対して行います。

なお、各指定締約国における保護の存続期間は、国際登録が更新されることを条件に、国際登録の日から起算して15年です。各指定締約国の国内法における意匠の保護期間が15年よりも長い場合には、当該指定締約国の保護期間が認められます。